本質の大切さ‐小手先のテクニックでは長期的な結果は得られない

「業務効率化ツールを導入したのに時間が足りない」

「SNSアルゴリズムを勉強したのにフォロワーが増えない」

そんな経験はありませんか？その原因は、あなたの努力が足りないからではなく、「本質」を見失っているからかもしれません。

なぜ私たちは小手先のテクニックに走ってしまうのか？

私たちが目の前の「数字」や「分かりやすい解決策」に飛びついてしまう理由は、はるかに簡単そうで、短期的な安心感が得られるからです。

しかし、その安易な選択が、かえって本質的な成長から遠ざけているとしたら？

これは実際に居酒屋であった例ですが、居酒屋のオーナーが売上をあげようと突然SNS運用を頼んだのです。

思考：集客をすれば売上が増えそうだからSNSコンサルを依頼しよう。

事実：SNSを見て来るお客さんが増えた。

結果：SNSで見た商品だけを頼むので、席は埋まるが売上は下がった。

結果的には、客数という数字は上がったものの、居酒屋にもかかわらず商品一品とお水だけを注文するお客さんが急に増え、当然ながら売上は落ちました。

ここにあったのは「食事」をしたいお客さんではなく「SNSに投稿する素材」を求めていた人たちでした。彼らにとっての目的は「店で料理を味わう」ことではなく「写真を撮って『来店した』という事実を発信する」ことです。

つまり、お店は「飲食店」ではなく、「ただの写真スポット」に成り下がってしまったのです。

本質が抜けている戦略は、あくまで「症状」に対する「対処療法」に過ぎず、根本的な「原因」の解決にはなりませんでした。今回の場合は、むしろビジネスの健全性を損なう方向に進んでしまいました。

「手段の目的化」という落とし穴

この居酒屋では、とりあえず客を入れれば売上は上がるだろうという安易な考えから、集客をするという「手段」自体が目的化し、肝心の「売上を上げる」という本質的な目的を見失っていました。

まず「誰に、何を、どのように提供したいのか」という根本的な部分をオーナーさんもSNSコンサルの方も特に考えていなかったことが問題点として挙げられます。

なぜ集客をするのかという部分の思考が抜けていた結果として、「集客」をすることが目的となり、SNSでバズる動画を作り、客数を増やすことだけに注力してしまったのです。

本質的な解決策は「強み」と「客」の絞り込みにある

今回の例での本質的な解決策で言えば、自店の強み（例：博多の美味しいもつ鍋）と、真に価値を感じてくれる顧客（例：鍋を食べながらゆっくりお酒を飲みたい人）を明確に定義し、彼らに向けた情報発信と店内体験を徹底することです。

文章だけを見れば当たり前のことのように感じますが、この当たり前のことを考えずになんとなくやっている人達が非常に多いです。

例えばこれでコンサルの人に「客数が順調に増えていますね！」と言われたらどうでしょうか、「まあ確かに増えてるしこのまま頼もう」と搾取されるだけです。

良い結果を得るには「本質を考える」癖をつけることが短期的にも長期的にも大事です。

ぜひこれを機に本質について考え直してみてはいかがでしょうか。